「歴史は決して学ばなければ、教えてくれない」半藤一利氏
2025年は、戦後80年ですが、我々は、「太平洋戦争」の歴史から何を学ぶべきなのでしょうか。半藤氏の言葉から自分なりに感じることは、歴史から学び、将来への教訓として何をなすべきか、自分の言動をささえる「戦争観」、「歴史観」を持たなければ、人間は同じ過ちを繰り返すということです。
最近、保坂正康氏の『日本の現在地から読み解く「太平洋戦争」』(有隣堂)という本を読みました。そこで強く感じたのは、今の国内外の政治情勢をみると、同じ間違いをおかしかねないというか、むしろ現在進行中だということです。ウクライナやガザでの戦闘、トランプ政権の誕生、ヨーロッパでの右派の台頭、「参政党」の躍進などをみますと、改めて「政治は国民の心や意識を映し出す鏡」であり、国民の意識や質(あまり使いたくない言葉ですが)以上の政治はできないということを感じます。
この本に、政治家は、国民うけを狙った世論を背景に、「反対のための反対」を論じたことが結果として戦争を導いたというくだりがあり、かつて政治家だった自分としても思い当たる節があると感じたところです。
戦後80年、当時のことを経験して直接語ってくれる人は、ほとんどいなくなりました。太平洋戦争は「記憶から記録」になり、「歴史」となりました。改めてこの「歴史」を現代に生きる我々の視点で教訓を見出して実行していかなければなりません。